2012年11月23日

ギャラリー・ラファイエットのクリスマス


クーポルの下の
スワロフスキーによる豪華なツリー

今年で100年を迎えるギャラリー・ラファイエット デパートのクーポル。
クリスマスにちなんで、その装飾の豪華なこと。

一日中その下にいたいくらい素晴らしい。
うっとりと見とれるというのは、こういうことなのだと実感。
これを見るために飛行機に乗って遠方から来る価値があるほどです。

ギャラリー・ラファイエットの象徴は何と言っても最上階まで吹き抜けのクーポル。

ダヴィデの星が頂上に
その下に、100年記念ということでクリスタルのスワロフスキーが特別なクリスマスツリ-を製作。
その眩い輝きが各階から見えるのです。

ツリーは
5000個のクリスタルを使用して作った、
シャンデリアのような輝きの直径9メートルのベースの上に飾られています。
21メートルのツリー自体には、120種類のオーナメントが輝き、時と共に色も変わり、そのたびに歓声が上がるほど圧倒的な美しさ。

時と共に色が変わる素晴らしいテクニック
もちろん私も興奮しながらいろいろな角度から写真を撮りました。
あまりにも美しいので、ツリーのみ。
私が入らない方がずっといいことくらい、ちゃんとわかっています。

こうした煌びやかな装飾を見ている限り、
世の中に永遠に
平和が続くように思えるばかり。
ではじっくりとご観賞を。

デパートの入り口には幻想的な馬車。
これから夢の世界を駆け巡りましょう、ということなのでしょう。
やはりパリはいい。


2012年11月20日

クリスマス装飾



クリスマスならではの装飾

もうパリはすっかりクリスマス気分。
特にデパートが例年になく華やかなこと。

それに負けないように、商店もそれぞれアイディアを競い合っていて、街を歩くのがとても楽しい。

こうしたキラキラ輝くウインドーを見ていると心がワクワクして、
何も買わなくても幸せになるのだから、経済的。

同じクリスマスをテーマにした装飾なのに、
皆、個性的なのは、やはりパリジャンの優れたセンスのお陰でしょう。
スランス人は同じ言葉の繰り返しを極端に嫌うので、それが会話だけでなく、こうしたウインドーの飾りにも表現されているのがよくわかる。

お金をかけなくてもおしゃれが上手なパリジェンヌたち。
装飾も同じこと。
工夫が一番重要なのです。

といいながら、これから毎日あちこち見て回りたいのですごく忙しくなりそう。
ゴージャスな
デパートの飾り
オペラ界隈、学生街、シャンゼリゼ、ヴァンドーム広場、
それに加えて高級ホテルの飛び切り華やかな気分も味わいに行きたい。
本当に忙しい季節です。


2012年11月15日

OECD日本大使公邸で講演と和食紹介

左、吉川コリーヌさん、
右、ニコル・トルジュマンさん

秋も深まり冬の寒さが身にしみる
今日この頃。
それも一挙に飛び去りそうなステキなイヴェントを
11月14日、パリ西近郊のOECD日本大使公邸で開催。
オーガナイズしたのは吉川大使夫人のコリーヌさん。

才知、教養が全身にあふれ、
しかも女性としてのチャーミングな面も持つ
ニコル・トルジュマンさんによる講演は、
時間の経過を忘れるほどの
流れるような見事な話術。


国際様式の
OCDE日本大使公邸
公邸があるヌイイの界隈の歴史に始まり、
公邸の建築様式とその歴史など話題も豊富。
フランス人、カナダ人、スイス人、
イタリア人など国際色豊かな47人の招待客は、
皆、関心するばかり。
ニコルさんは文化と歴史の造詣が深く、
それだけに講演の内容が深く、
それでいて身近に感じられるのは、
すべてを自分の知識として持っている証拠。

ヌイイの界隈で育てていたジャガイモ普及のために、当時の国王ルイ16世が、ジャガイモの花をボタンホールに付けた話や、
公邸の建築様式が「国際様式」だという解説も
興味深い。


駐仏日本大使夫人小松まりさん、
フランソワーズ・ド・コカトリクスさん
直線が強調されているのが大きな特徴というお話に、
視線をあちこちに走らせると。
確かに規律あるまっすぐなラインが多い。
1931年建築開始ということなので、ちょうどアールデコの時代。
そうした要素も加味されているという貴重な建造物。

講演の後は、何と和食のデモンストレーション。
公邸シェフ、橋田大三さんによる「マッシュルームのしろ和え」
シャンピニオン、豆腐、ゴマに、塩や、みりん、お酒などで味付けした、見るからにおいしそうで、しかもカロリーが少ないという理想的な一品に、皆、納得。

デモンストレーション中の
公邸シェフ、橋田大三さん
お豆腐の作り方は、という質問も出て、自宅でトライしてみようという意気込みが感じられ大成功のデモンストレーション。でも、私はお豆腐は出来たのを買ってきて作ってみようと、秘かに思っていたことを打ち明けます。

そればかりではありません。お隣のダイニングルームには和食の代表作がズラリ。
ほうれん草の和え物、ジャガイモの煮物(素晴らしくおいしくて何度もおかわり)、お寿司、
天ぷら・・・デザートも抹茶入りがあり、優雅なユズの香り入りがあり・・・

様々な国の様々な方々との会話も十分楽しめたし、お料理は抜群だったし、
 本当に素晴らしい日でした。メルシー、コリーヌ!!!


箱庭のようなお料理のプレゼンテーションも
日本的で素晴らしい。

2012年11月10日

オルセイの素晴らしい展覧会

大人気のオルセイ美術館
久しぶりの充実感と満足感を味わえる展覧会を、パリの
オルセイ美術館で開催中。
「印象派とモード」がそのテーマ。

19世紀後半のナポレオン3世の第二帝政時代は、経済が潤っていた時世。そのために装いも華やかで、豊かさがみなぎっているものばかり。それに加えて、妃ウジェニーがマリー・アントワネットに心酔していたために、
王妃の時代のフレアがたっぷりで、
リボンやレース飾り、刺繡が施された贅沢なドレスが大流行。
優美な装いを復活させた
ナポレオン3世の妃ウジェニー
こうした時代に頭角をあらわしてきたのが印象派の画家たち。
それまでは、歴史上重要な人物の肖像画や宗教画が多かったのに比べ、印象派の画家たちはそれから開放されたかのように、
一般の人の日常的な場面を手がけるようになったのです。

帝政が崩壊し第三共和体制になっても、服装の大きな変化は見られず、ウエストを絞り
ヴォリューム感のあるスカートという装い。
印象派の画家たちはそうした女性の服装に大いに興味を抱き、重要視し、絵に描いていたのです。彼らが描く絵の中の女性たちは、皆、小説のヒロインのように麗しく、人生を楽しんでいるような人ばかり。

印象派の画家はモードのクリエーターとさえ言う人がいますが、
たしかに絵に描かれたモードはどれも素晴らしい。

モネ作
そうした絵から現在のデザイナーがインスピレーションを受け、そこにコンテンポラリーを加味し、
世の賞賛をかうことも多い。このように、印象派とモードの関係は深いのです。

モネ、マネ、ルノワール、ドガなどの巨匠たちが描いた、着飾った女性たちの名作がいくつもつらなる展覧会会場。
こうした絵画を見るだけでうっとりするのに、それに拍車をかけているのが、その時代に製作した本物のドレス。
昼間のドレスがあり、午後のドレスがあり、夜のドレスがある。
タフタやシルクの光沢は、時を経過しているのに衰えることなく煌びやかに輝いている。
当時、女性は外出の歳には帽子を被り、手袋をし、刺繡やリボン飾りのある靴をはいていた、それも展示してある。

非日常の世界をさまよえる特別な空間は格別。
そこに現代の息吹きを加えているのが、壁際に並べられた、赤いビロードとゴールドの背もたれと脚のチェア。それは、パリコレのショーの場にいるような錯覚を起こさせます。
ルノワール作
チェアに描かれた招待客の名を見ると、ロダン、セザンヌ、フローベル、ジュルジュ・サンド、ロスチャイルド男爵などと書いてある。こうしたユーモアがパリらしくていい。

夢の世界に包まれたまま先に行くと、突然、目の前に開かれる人工芝の広々とした空間。
鳥の鳴き声が聞こえ、モネの大きな「草上の昼食」の絵が見える。ルノワールやバジルの名作もある。絵の中で憩う女性は誰も彼も着飾っている。顔に、服に、陽光を浴びているその光景は平和そのもの。

そう、そこは人生の悦びを満喫する場なのです。このように、心底から堪能できる素晴らしい演出の、パリならではの展覧会です。

「印象派とモード」
オルセイ美術館
2013年1月20日まで

2012年11月7日

アメリカ大統領選

白熱のアメリカ大統領選が終わり、オバマ再選に湧く興奮したアメリカ国民の姿を、テレビの映像で見るのはとてもワクワクしていい。細胞が活発に動いているのが自分でもわかるほど。
フランスでも連日トップニュースとして報道していたために、熱気は凄かった。
日本は特別な関係がある国だから、それ以上の関心だったに違いない。

フランスとアメリカの関係もとても深いのです。
何しろルイ16世の時代に、アメリカ独立の援助をした国。軍人を多数派遣したばかりでなく、莫大な資金援助もしたのだから。

それがフランスの国庫を空っぽにし、国民の生活はどん底状態。食べ物もなく、女性たちがパンを求めてヴェルサイユ宮殿に押しかけたのは、もう日本中が知っていること。

フランスのテレビでは投票日に、アメリカ独立に貢献したラファイエット将軍の波乱に富んだ生涯を放映。さすが文化国家のすることは違う。

オバマは私にとって現代のアメリカの象徴的な人物。
あの、知性あふれる説得力ある演説は文化であり、芸術。
アメリカの良き面を代表している感じさえする。

映像でこうした演説を見るたびに、何故か、ローマのシーザーもあのようにして人の心を捉え、領地を拡大していったのだと思ってしまうのです。
シーザーが征服した地を訪れるたびに、「ここでもシーザーの声が聞こえる」などと口走って、「ちょっと大丈夫」などと友人に言われることも度々。

演説は心を動かし、国を動かす原動力のように思えてならないのです。
キリストだって演説で人の心を捉えたのだから、これは本当に重要。
フランスの政治家も演説にたけているけれど、オバマの魅力的な演説にはかなわない。
日本の外交が振るわないのは、その演説にあるのではないかしら。

世界を舞台にするとき、沈黙は金ではないし文化でもない。
語りにこそ力があることを実感したアメリカ大統領選でした。

2012年11月1日

シャトレのつぶやき 62  思い出のアルバム4

家出したの

ワタシ一度家出をしたことがあるの、
ホント。
家出といっても、べつにママンとケンカしたからとか、この家が気に入らないからとか、そういうリッパな理由があったからではないのヨ。
たまたま窓があいていて、
それでそこをスルリと通ってお外にいっただけ。そういうのが得意なの。


お外はとってもいい気分だった。
世の中がこんなに広いと思ってもみなかったわ。
アパルトマンがいっぱいあるし、
そこにはいろいろな人が住んでいるようだし、バルコニーに咲いているお花も色がたくさんあってきれい。

空も大きくて雲も初めてみたわ。
ああいうのに乗ってみたい、そしていろいろな国に行くの、アフリカにも行きたい。
あそこは動物にとって天国なんだってね。
ママンがいつか言っていたわ。

「シャトレ、シャトレ、どこにいるの?」
突然、聞き覚えのある声。
屋根にのぼってごきげん
気分がこわれる。

「どこに行ったの?」
 しつこい声がまだ聞こえる。
でもじっと息をひそめるワタシ。
ママンはベッドや、テーブル、イスの下を見て回っては
ワタシの名前を呼んでいる。
「ほんとうにどこにいるの?」
今度はバスルームに行ってバスタブを調べるママン。
ときどきワタシがそこで泳ぐ練習をするからなの。

「あッ みてごらん、かっこいいネコだ!」
どこからか男の子の声。
ワタシをみてそう言ったの。
それを聞いてママンが外を見て、
ワタシと目がばっちりあったのです。

心配かけて反省しているワタシ

「まあ、そんなところにいたの、早く帰っていらっしゃい」そうはいってもとても帰りたくない。お外のほうがずっといいの。だからワタシは大声を出しました。「イヤッ!」
「そんなこと言っていないで帰っていらっしゃい。ほらキミの好物よ」
そう言ってママンは缶詰をチラチラさせてワタシを誘惑するのに必死。でもそうはいかない。
「イヤッ!、それよりお外のほうがいいの」
すご~く頑張ったワタシ。

そうしたら今度は長い紐をもってきてひらひらひらひら。
これはナゼかすごく刺激的でガマンできないの。
とうとうそれにつられて家に戻ったの。

「すごく心配したのよ。
もう二度とこんなことしないでね」
ママンは泣きそうな声で言う。
でも、ワタシにはたのしい思い出だったわ。