2015年6月24日

パリの犬たち 33

信号はちゃんと守らなければ
赤だから止まっているの。
アッ、緑になった、では出発。
日本では緑じゃなくて青なんだっテ?
国によって色がちがうのかな。複雑だワン。

2015年6月19日

ナポレオン、ワーテルローの戦いの再現 


今から200年前の1815年6月16日から3日間に渡り、ナポレオンはベルギーのワーテルローでイギリス、プロセインを主とする連合軍相手の戦いに挑み、18日に大敗し
その後過酷な運命を辿ります。

2世紀前の激戦を
忠実に再現。


イギリス軍司令官ウェリントン公
2世紀たった今年、ナポレオンの運命をかけたワーテルローの戦いを忠実に再現。当時の戦地で、当時と同じ軍服に身を固めた6000人もの人が大熱戦が繰り広げました。使用した馬は300頭、大砲は100門と何もかも大規模。それを世界各国から集まった約20万人もが観戦。フランスでは史上最大の再現などと、これまた大げさに報道。

この戦いのナポレオンの司令部は畑の中の小さな農家。一方、イギリスの司令官ウェリントン公のは町中の広々とした建物。戦いの前から誰に勝利があるか分かるほどの大きな差。現在は両方とも博物館になっていて、貴重な遺品も数多く展示してあるので見学する価値があります。

プロシア軍司令官ブリュッヒャー
フランスにとっては負け戦のワーテルローの戦い。でも、これもフランスの歴史の重要な一場面なので、受け入れなくてはならない。

フランス人が集まると、まるで自分が指揮官になったかのように、さまざまな戦略を発言して面白い。この戦いのナポレオンの作戦はここがまずかったとか、この将軍の起用が失敗の大きな原因だとか・・・・
ナポレオンも戦地で、部下たちから相反する進言を受けて混乱していたのではないかと、単純に思ったりしています。

ナポレオンの役を演じたのはフランス人弁護士、フランク・サムソン。皇帝と同じ背丈で168cm。太り具合も同じくらい。彼は10年前からナポレオンに関する行事があるたびに登場。これを最後に引退だそう。ナポレオンが失脚するのだから、理屈に合う。

ナポレオン役を10年間務めた
弁護士フランク・サムソン。
6月18日の最後の激戦再現の前日、イギリス軍司令官ウェリントン公とプロシア軍司令官ブリュッヒャー、
そしてナポレオンの弟ジェロームの子孫が戦地に集まり、イギリスのチャールズ皇太子ご夫妻が見守る中、握手を交わし記念碑の序幕をしました。

式典にイギリス代表としてチャールズ皇太子がいらしたのに、フランス大統領は不参加。それに対する質問を受けたナポレオン役のフランク・サムソンは、「フランスはナポレオンが代表している。何の問題もないではないか」とさすが弁護士らしい対応。

それにしてもナポレオンのような驚異的な人物が、わずか200年前に生きていたとは信じがたい。世界はすごい勢いで動いているのですネ。

2015年6月17日

ルーヴル 休館日にプーサン鑑賞会

17世紀のフランスを代表する
プーサンの傑作が並びます。

ルーヴル美術館の休館日は火曜日。
その火曜日にあたる昨日、特別に入場させていただいて、今開催中のニコラ・プーサン展を貸切で観賞。しかも専門家の解説つき。堪能しました。

このようなすばらしい企画を考え、実現したのはバルチュス未亡人、節子さん。
友人の画家、彫刻家、ピアニスト、作家など20人ほどご招待。
光栄なことにその中に入れていただきました。
日本の美の
象徴的存在の節子さん。

17世紀の偉大な画家ニコラ・プーサンはフランス人であるにもかかわらず、ローマに長年滞在し名をなし、時のフランス国王ルイ13世に祖国に戻るよう命令を受け2年間暮します。
ところがローマの空気の方を好み、その地に戻りそこで71歳の生涯を閉じた画家。

今回の展覧会のタイトルは「プーサンと神」。宗教画が圧倒的に多く、そのほか、歴史を語る作品、後年の風景画など驚くほど多数の作品を鑑賞できます。
どの作品もドラマチックで、強い語りがあります。特に晩年の風景画は今まで観たことがなかったので、強く印象に残りました。

特に晩年の風景画がすばらしい。

2015年6月16日

パリの犬たち 32

スーパーでは誰が決めたのか食料品売り場はNG。
だから、ここで待ちぼうけ。
でも、もう飽きちゃった。ショッピングが長すぎるワン。誰か遊んでほしいなぁ~。

2015年6月14日

フランス人が先祖、スウェーデン王子結婚


スウェーデンのベルナドッテ王朝7代目のカール16世グスタフの王子、カール・フィリップが6月13日に結婚しフランスでも話題になっています。

何しろスウェーデンのベルナドッテ王朝創立者は、ナポレオンの部下だったフランス人のベルナドット。その妻は同じようにフランス人で、しかもナポレオンの初恋の女性デジレ
つまり、100パーセントフランス人を先祖とする王家なのです。
初代ベルナドッテ王朝国王

王妃デジレ

初代の国王夫妻の間に生まれた唯一の子供はオスカル王子。彼は何とナポレオンの妃ジョゼフィーヌが最初の夫との間に持った息子ウジェーヌ・ド・ボーアルネの娘と結婚。どこまでもナポレオンにかかわりがあるベルナドッテ王朝です。

現在のカール16世グスタフ国王の第一子はヴィクトリア王女で、彼女が未来の女王。カール・フィリップは王位継承順位3位。

話題はもっぱら彼の妃となった元モデルのソフィア・ヘルクビスト。ランジュリーのモデルだったことに人々は興味津々。彼女のはじけるような笑顔がチャーミングで、
これでは王子が夢中になっても無理ないと思えるような女性。
プリンセスになるべく努力もしたそうで、姿勢も、歩き方も、服装もクラシックでいかにも王子の妃にふさわしいように見える。

このところヨーロッパの王家は、民間人を妃に迎えることが多く、新時代到来をひしひしと感じます。血筋がどうのこうのということは、すでに数世紀前のこと。国を代表する要素を持っていれば、国籍も、離婚暦も、子供がいても問題ないようです。

チャーミングで、華やかで、微笑を浮かべながら行く先々で平和の花を咲かせ幸福を散りばめる、美しく優しく、憧れを抱かせるスター的存在なのです。ヘアも身に着けるものも、現代の女性たちに大きな影響を与える、リーダーなのです。

2015年6月12日

ルノートル、トワル・ド・ジュイをスイーツに

ルノートルのチーフシェフ。
限りないアイディアの持ち主

18世紀に盛んにもてはやされた、華やかでロマンティックなロココ調の絵をモチーフとした布地、トワル・ド・ジュイほどフランスの香りを漂わせる布はありません。

ドイツに生まれ、後にフランス人になったクリストフ・フィリップ・オベルカンフが、ジュイ・アン・ジョザスという小さな村で製作を開始したために、トワル・ド・ジュイと呼ばれるようになった綿織物。
モチーフは田園風景や、咲き乱れる花、着飾った人々などで、まるで幸せな物語を語っているよう。それがすっかり気に入った王妃マリー・アントワネットは、宮殿のインテリアにも使用しただけでなく、製作所にまで足を運んだほどの熱の入れよう。
これがスイーツなのです。
食べるのがもったいない。
1783年には国王ルイ16世から王立製作所に認定され、栄華を誇ったトワル・ド・ジュイ。
このトワル・ド・ジュイのデザインをスイーツとしたのが、革新的なアイディアとそれを形にする才知を持つスイーツの老舗ルノートル。その披露パーティーを、ロココとコンテンポラリーの融合のインテリアがすばらしいアパルトマンで行なうというこだわり。

18世紀の香りに包まれた、パリならではの絵になるようなアフタヌーンの集いでした。
カラフルで楽しさはずむサロン。

2015年6月9日

105歳 マダム・カルヴェンの美しい人生


メゾン「カルヴェン」の創立者、マダム・カルヴェンが6月8日、105歳の生涯を閉じました。
チャーミングな容貌と性格の
マダム・カルヴェン。
155センチの彼女はフランスでは「大デザイナーの中の一番小さい人」と呼ばれ、親しまれていました。

お洒落をしたい年齢のときに、小柄な彼女に合う服がなく、それが不満でインテリア・デザイナーをあきらめ、服のデザイナーになった人で、クリスチャン・ディオールと肩を並べるほど評価されていました。
明るい色を好み、フレッシュで、フェミニンで、チャーミングで飾り気がない作品は、彼女の化身ともいえます。

幸運なことに、パリのフォッシュ通りの豪奢なアパルトマンと、シャンティイ城に隣接する彼女の別荘のシャトーに行く機会に恵まれましたが、このような暮らしをしている人が実際にいるのかと、驚きで息を呑んだほど美しく幸せな人生を送っていた人です。ご主人が大金持ちのコレクターだったのです。

パリのフォッシュ通りのアパルトマン。
18世紀の家具、美術品の中で
日常生活を営んでいたのです。
パリのアパルトマンの各部屋には、名高い人の手による18世紀の家具、カーペット、オブジェが置かれ、壁を飾るのは著名な画家の作品ばかり。それは、まるで、ヴェルサイユ宮殿の縮小のように見えました。そういえば、訪問したときに出迎えたのは、きちんとした身なりの執事でした。

別荘のシャトーは、オーストリア皇后シシーが滞在していたこともあるそうで、その部屋が彼女の寝室。広大な庭では孔雀が色鮮やかな羽を大きく広げ、それからインスパイアしたドレスを創作したこともあるそう。
シシーが植えたという木の周りではカンガルーがピョンピョンと跳ねているし、花はいたるところに植えられ、芝生の緑がまぶしいほどで、ユートピアを目の前にしている思い。

シャンティイの別荘のシャトー。
オーストリア皇后シシーの
ベッドルームをマダムが使用。
過ぎ去った遠い日の懐かしい写真です。
水泳が好きで86歳まで水上スキーをしていたマダム・カルヴェン。南仏とカリブ海の島の別荘には、パリに太陽が少ない季節に毎年行くのだという。姿勢はいいし、歩くときには両手に重い荷物を持って「腕をきたえるために、こうするのが一番」と少女のような可愛い声で言っていた彼女に最後にお会いしたのは、靴の王者と呼ばれていたロジェ・ヴィヴィエが亡くなり、追悼ミサがサンジェルマンデプレ教会で行なわれた1998年。ピンクのスーツにピンクの靴の89歳の彼女の若々しい姿を、今でも克明に覚えています。

膨大な数の芸術品はルーヴル美術館に寄贈。GROG -CARVEN コレクションとして常時展示されています。その他ギメ博物館やモード博物館への寄贈も多く、このようにして彼女の名は語り続けられていくのでしょう。

2015年6月8日

パリの犬たち 31 

体が小さい犬が自分の威勢を見せるには・・・
そう、目を大きく見開いて、ギャンギャン叫ぶのだワン。
どう、ちょっとは迫力を感じる?
鏡を見ながら研究したんだよ。

2015年6月5日

はきやすい靴が見つかった


靴は場合によっては服選びより難しい。
エレガントで履き心地がいい靴の
シャルル・カメール店。
フォルムがよくても履き心地が悪かったり、配色が気に入らなかったり、ヒールが5ミリの差で合わなかったり・・・

最近、足がいかに重要で大切にしないといけないかが分かり、それだけに靴選びがますます難しい。どうやら、高いヒールばかり履いているのがいけないらしい。となるとチョイスは少なくなる。でもおしゃれするときは、やはりおしゃれな靴がいいに決まっている。あれこれあれこれブティックめぐりをしては試したけれど、どうもぴったりこない。

そうしている間にコミュニケーション会社を経営しているカトリーヌから連絡があり、学生街に新しい靴の専門店がオープンするから来ない、と誘われたのです。グッドタイミングとばかりに出かけて行き、ブティックの中を見ると、シックでありながら、コンテンポラリーな趣のある靴がずらりとな並んでいる。
色も気品があって私好み。
左はジェネラルマネージャーの
ミッシェル・ティエリー、右は
コミュニケーション会社経営の
カトリーヌ・シックス。

いいものを見ると直ぐに興奮状態になる私は早速試す。
普段履けるちょっとおしゃれなスニーカー風の靴と、夜のお出かけ用のベージュのパンプスが目的の私の決断はきわめて早い。履き心地はいいし、レザーも滑らか、フォルムも品格ある。

素早く選んだ二足の靴をシックなバッグに入れていただいて、非常にご機嫌になった日でした。
価格もクオリティーに比べてリーゾナブル。
お勧めのブティックです。

Charles Kammer
30 rue de Grenelle
75007 Paris

2015年6月3日

フランスを熱狂させた錦織・ツォンガ戦


82年ぶりに8強に進出した25歳の錦織圭さん。6月2日の準々決勝の試合相手はフランスの30歳のツォンガ。
背は錦織さんより10センチ高く、テニスプレイヤーというよりラグビー選手のようながっちりした体格。

それに加えて、センターコートに集まった
約15000の観衆のほとんどがフランス人。何しろツォンガは今回の大会で残っている唯一のフランス人。そのために彼が点を得るたびに嵐のような大歓声。これではkei Nishikoriがかわいそう。
いざというときの団結心が強いフランス人のこと、
テレビの前では、何と約600万人がかたずを飲んで応援していたそう。

3時間50分にも及ぶ激戦の間、
kei Nishikoriの名がフランス中で語られた6月2日。
彼が全力をあげて戦っている姿はまぶしいほどだった。感動的だった。
残念ながら今回の試合を逃したけれど、多くの人の心に強い印象を残したことは意義あることです。

2015年6月2日

連休続きの5月最終日曜日は「母の日」

「母の日」にお花のプレゼントは
クラシックだけれど、やはりいい。

今年のフランスの5月の休みのすごさは、日本の大型ゴールデンウィークなんてものではなかった。 とにかく、5週間のうち4週間は3日続きの休みか飛び石連休。

これでは仕事に熱が入らない。いっそのこと一ヶ月まるまる休暇にすればいいのにと、素晴らしい提案をするフランス人もいたほど。

 たしかに、ちらっとお仕事をして数日間休み、またちらっとお仕事では気が入らないのは無理もない。 



カカオ90%の有機チョコレート。
毎日食べています。
連休ばかりの5月の最終日曜日は「母の日」。それが今年は31日に当たるのだから、非常に区切りがいい。 この時期にジュエリーや香水の宣伝が多いのはそのため。 このような高級品をプレゼントしていただける母親は幸せですが、ブーケやきれいなカードもいいものです。

 不思議なことに何かにつけてアイディアを出すチョコレート店が、「母の日」のためにほとんど何もしない。 どうしてかしらと毎年頭を悩ましています。 チョコレートがアルツハイマーの予防になる、あるいは治療に効果があるという研究結果がさまざまな国で出ていると知ってから、 私はひたすらいただいています。ただしカカオ90%。しかも有機。 健康は大切。

 もしかしたら「母の日」の最良のプレゼントはこれかも、と思っています。