10月19日にアポロンのギャラリーから盗難されたフランス王家の宝飾品は、今でも連日ニュースで報道。用心のために、アポロンのギャラリーの数点の宝飾品をフランス銀行に移したそう。貴重な歴史を刻んだ品がいくつもあるから、賢明な判断だと評価されている。
盗難された8点の宝飾品の行方はいまだに不明。けれども、ナポレオン3世のお妃ウジェニー皇后の王冠は、逃げる途中で落としたのか、破損しているものの、近くで見つかっている。修復は非常に困難だが、不可能ではないとルーヴル美術館館長が発表。この王冠だけが盗まれた宝飾品の中で、唯一、回収され貴重な王家の宝物。
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| ナポレオン3世のお妃の王冠。1855年作。 ダイヤモンド1354個、エメラルド56個。 8羽のゴールドの鷲と8 つの植物模様が交互に連なるアーチの上に、 エメラルドとダイヤモンドの円形のドーム、 その上にダイヤモンドの十字架がある個性的な王冠。 photo David Liuzzo |
君主の偉大さを国民に見せるために王冠を考え出したのは、16世紀のフランソワ一世。それ以降、その伝統がずっと守られ、第二帝政のナポレオン3世もお妃も王冠を持っていた。ところが1870年、プロセインとの間に普仏戦争が始まり、貴重な宝飾品はまとめてフランス最大の軍港ブレストに運ばれ、その後は財務省の地下で保管するようになる。その後多くの王家の宝飾品はオークションで世界に散らばったが、皇后の王冠はそれを逃れたのだった。今回の盗難でも、奇跡的に取り戻せたのだから、運が強い王冠と言える。

































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