2018年9月17日

バーレ―ン王国の現代アート、パリで初の展覧会

ゴールドの華やかな封筒に入った招待状を受け取って、一体どこからと開けてみると、バーレ―ン王国のアーティストの展覧会をパリで開催するご案内でした。しかも当日はVIPの招待日と書いてある。バーレ―ンに行ったことがないし、知人もいない。それなのに、どうして私が・・・・

こうした場でどのような会話があるか分からないので、事前に調べると、バーレ―ンはペルシャ湾の君主制の島国とある。かつて、エジプト文明に匹敵するディルムン文明が栄えたそうです。こうなると私の好奇心は高まるばかり。

近年は金融センター、F1開催、女性の社会進出、観光など、新しい顔を世界に見せているバーレ―ン王国。それを知って興味がますます増し、いつか行きたいと強く思う。

グランパレの会場に今回展示されているのは、コンテンポラリーな作品。作者が自分の作品の前でにこやかに迎えてくれて、詳しい説明もしてくださる。

パリといえどもアーティストや招待客との会話は英語。英語は青春時代にまじめに学んだ言葉で、この外国語を話すたびに懐かしさがこみあげてきます。

展覧会の会場はグランパレの一角。
エントランスに黒服の男性が数人いて、ちょっと緊張。
階上に向かうきれいに装った招待客たち。

アーティストがそれぞれ自分の作品を説明。

布地を使用したコラージュで人物を描いた作品。
作者アル・ハッサンさんが解説してくださいました。

作者の新しい解釈のメッカ。
種類豊富なティーバッグを使用したクリエーションに、
驚くべきオリジナリティーがあります。

息子さんが日本が大好きで日本語を学んでいると、
ヒジャブを優美に被るマヤサさんと会話がはずみました。
息子さんに見せたいからと、ツーショットを何枚も撮影。


これもティーバッグを使用。
惹かれるものがあります。

訪れたことのない国のアートだけに、物の見方や発想が新鮮。ヒジャブをかぶり個性的なメイキャップのすごい美人が多く、しかも飛び交う言葉は英語。まるで異国にいるよう。カクテルも上質だったし、印象に残るひとときでした。

2018年9月16日

文化遺産の日、内務省見学

今年の文化遺産の日には、迎賓館を訪問したいと早めにランチを終えて出かけたら、朝8時から並んでいる人ですでにいっぱい。だらか今日はもうダメと警察官が厳しい顔でいう。何を今ごろ来てと思ったに違いない。

そう、私が甘かったのです。フランス人は自国の文化遺産に格別な関心と愛着を抱いている国民。しかも官庁関係の建造物の多くは、アンシアン・レジムの貴族の大邸宅。建物もインテリアもそれはそれは豪華。かつての華やかさが残っているのです。

迎賓館が見られないので、その近くの内務省に向かう。ここも思った通りやはり長い行列。でも断られなかったので列に並ぶ。周囲には少なくとも20台ほどの機動隊の車が待機している。身分証明書提示と2度の荷物検査の後、中に入る。

敷地内に入ったとたん、見たこともないパトカーが数台。
そういえば、パリを舞台にした昔の映画で見かけたかも。

オードリー・ヘプバーン主演の映画に登場したような
パトカーもある。今のよりすっとパリらしくていい。
小型で動きも楽そうで、私にも運転できそう。
いよいよ建物の中に入ろうとすると、
「オートバイに乗ってみませんか」
と、金モールがついた立派なユニフォームの
若く美型の男性が言う。

「大きすぎて怖いから乗りませんが、写真だけ」
ちょっと緊張した写真です。

内務省はエリゼ宮殿の斜め前にあり、ミッテラン、シラク、サルコジなど大統領になる前に内務大臣になる政治家が多い。

オテル・ド・ボーヴォと呼ばれる旧邸宅が内務省兼内務大臣公邸。18世紀の建物でほとんどの貴族館と同じように大理石の床、マントロピース、壁画、クリスタルのシャンデリアが豪奢。


「名誉の階段」階上は内務大臣の住まいになっていて、
サロンやダイニングルーム、図書室、複数の寝室があるそうです。
マクロン大統領の公式写真と、
歴代の大臣たちのポートレートが壁一面を飾る「控えの間」。

「内務大臣の執務室」
19世紀に内装がほどこされた帝政様式。
執務机はマホガニーの重厚な趣。


「会議の間」
深紅のビロードとゴールドが華やか。

裏手に広がる庭園には、
種類豊富な木と花が咲いていてオアシスのよう。


貴族館の庭園に欠かせない大理石の女性像。
ゆったりと見学ができて大満足。今後は内務大臣の姿をテレビで見かけるときには、今までと異なる思いを抱くでしょう。

訪問者を喜ばせるために、
このような記念撮影の配慮まであったのにはびっくり。

顔の大きさに比例して体が大き過ぎる。
警察犬と一緒の写真なんて、本当にいい記念。

2018年9月15日

左岸の最高級ホテル

パリの高級ホテルは右岸に集中しています。そういえばオートクチュールメゾンも右岸ばかり。右岸はブルジョア、左岸はカジュアルな街というパリジャンの定義がよくわかります。

その左岸唯一の最高級ホテルがルテシア。リニューアル工事が終わり7月に再オープン。とはいえレストランの工事はその後も続いていて、12月に完成だそうです。

それでも好奇心のかたまりの私は、見に行かないではいられない。カジュアルな服装で探検してきました。

一番印象的なのは、バー。種類豊富なボトルが壁一面に並べられているのは圧巻。イケメンのバーマンもいてとても居心地がいい。

エントランスのインパクトあるガラス工芸装飾。

圧倒されるほどの種類豊富なボトル。
1910年の建築当時の天井画も一見の価値あり。

グランドピアノの演奏がひときわのアンビアンスを作ること間違いなし。
次は夜に行こうと決心。
ユニークな彫刻があちらこちらにあって、
それを見て歩くのも楽しい。

ア―ルデコ式の装飾が多く、リニューアルしたばかりだからどこもかしこもピカピカ。ホテル内にいるのに、何だか空気までフレッシュに感じられるのは不思議。

左岸に行くことがあったら、ぜひ足を運んでくださいね。中庭でランチも良さそう。

2018年9月13日

皇太子さま フランス公式訪問


日仏友好160周年記念の今年、パリをはじめフランス各地で多くのイヴェントがあることは、以前ブログでお知らせした通り。この記念すべき年に皇太子さまが、フランスを公式訪問なさいました。

非常にタイトなスケジュールであるにもかかわらず、皇太子さまは常に笑顔を保っていらして、爽やかな印象を与えていたようです。

今回のご訪問の主だったスケジュールは・・・

9月7日、リヨンご到着。翌8日からリヨンの日本人補習校視察、織物博物訪問、グルノーブルの最新テクノロジー拠点訪問、ブルゴーニュのワイナリー訪問。11日パリにご到着し、アンヴァリッドで儀仗兵閲兵、上院議長公邸訪問、近郊の日本人学校訪問、障害者施設訪問、小児病院訪問。12日マクロン大統領とヴェルサイユ宮殿で会見、お能を鑑賞後、宮殿内で晩餐会。

ジャポニズム 2018のプログラムは
一冊の本のように分厚く、
いかに日本が力を入れているかわかります。

この他「ジャポニズム 2018」で公演中の歌舞伎鑑賞、昼食会、フランス在住の日本人や日本とつながりがあるフランス人との歓談 etc

フランス語でスピーチをなさったり、障害者施設を訪問した際に障害がある少女の手を取って踊ったりした皇太子さま。親しみ深く温かみがあるお人柄でフランス国民を魅了しました。きっと誰もが次期天皇にふさわしい方と思ったことでしょう。今回のご訪問が日仏交流の絆をさらに強めたのは明らかです。

2018年9月11日

パリの犬たち 181

みんなが振り返る

ママンとお出かけの時、いつもこの姿。
居心地がいいように、ボクと妹は別々のバッグ。
柔らかい布地を使ってママンが自分で作ったんだよ。

街の景色もバッチリ見えるしサイコ―。
オリジナリティ―があるので、道行く人がみんな振り返るの。
写真も年中撮られて、ちょっとセレブ気分だワン。

2018年9月9日

メトロの駅名は語る 99

Reuilly=Diderot
ルイイ=ディドロ(1,8号線)

パリの東郊外にあったルイイ村と、18世紀の作家で哲学者のディドロを称える駅名。

ルイイ村には7世紀のダゴベルト1世国王の時世にシャトーがありました。彼はメロヴィング朝の4代目の王で、後年フランス王家の墓となるサン・ドニ大聖堂の元となるサン・ドニ修道院を建築させた国王です。ダゴベルト1世もサン・ドニ大聖堂に葬られています。

メロヴィング朝はフランク王国最初の王朝で、481年から751年まで14代も続きました。

ダゴベルト1世国王(602-638)
メロヴィング朝4代目の国王。
サン・ドニ大聖堂内のダゴベルド1世のお墓。

ルイイのシャトーにはその後も代々国王が暮らしましたが、年月が経つに連れて放置され、廃墟と化し、今は何も残っていません。数世紀後にパリからその村へ向かう道路にルイイの名がつけられ、その後メトロ名にもなったのです。

一方ディドロは「百科全書」の編集と刊行を手がけた人物で、「百科全書」は18世紀のもっとも偉大な業績と評価されています。ディドロはヴォルテ―ル、ルソーと並ぶ王政時代の啓蒙思想家で、彼による「百科全書」は近代知識の集大成とみなされています。

ドゥニ・ディドロ(1713-1784)

ディドロが手掛けた18世紀最大の大作「百科全書」
リシュリュー通りにあったディドロの自宅で、
議論し合う知識人たち。
リシュリュー通り39番地のディドロの自宅。
ここで1784年7月31日に世を去ります。

約20年かかったこの大作を手がけている間に資金的な困難におちいり、ロシアのエカテリーナ二世の援助を受けて続行。

「百科全書」の重要性を知っていたエカテリーナ二世は、
資金援助を大々的に行いました。

エカテリーナ二世はフランスの啓蒙思想に傾倒していた女帝で、ディドロだけでなくヴォルテールとも親交がありました。資金難におちいっているディドロに女帝は、「百科全書」を自分が買い上げるが、その管理はディドロが手元に置いて行っていいという寛大な提案をしました。

当初は懐疑的だったディドロでしたが、「百科全書」刊行後の1773年にロシアに行き、恩あるエカテリーナ二世に会見します。

後のフランス革命に影響を与えたのは「百科全書」でした。ここに書かれた思想が精神的に革命へと導いていったのです。

2018年9月7日

名和晃平さん、輝かしいルーヴル美術館の彫刻

彫刻家、名和晃平さんの画期的な作品がルーヴル美術館で輝いています。
ガラス張りのピラミッドの中に展示してあり、外からでも見えるので、「あれは一体何」と近づく人も多いようです。ルーヴル美術館を見慣れているパリジャンも気なってしかたない。

エントランスを入った目のまえに展示されている、
名和晃平さん作「玉座」。

エスカレータ―の上り下りの際にも、
視線を向けたくなるインパクト。

ガラスのピラミッドとの間に不思議なハーモニーがあります。

この作品はジャポニズム2018のために名和さんがクリエイトしたもので、高さ10,4メートル。ステンレスの上に金箔をぬってあり、タイトルは「玉座」。

たしかに権力者が座るべき椅子が中央にあります。でもそこには誰も座っていないので、いわば空の玉座。観る人が自分で想像して欲しいという意図があるのでしょうか。

エジプトの王であってもしいし、フランスの王でもいい。あるいは空想の世界の王であってもいい。子供でもいいし、大人でもいい。権力者が何を意味するか自問するのもいいかも。

ご覧の通り、外からもバッチリ鑑賞できます。
ちょっと小雨が降ってきました。でも傘はささない主義。
多くのパリジェンヌのように。

遠くからもひと目をひく彫刻です。
右手のの騎馬像のルイ14世もびっくり。

エジプトの繁栄を象徴する金箔と、コンテンポラリーで実用的なステンレスの融合にも独創性があるように思えます。玉座、雲、球など様々なフォルムが微妙に絡みあっていますが、東洋の祭事で登場する山車を考察しているそうです。そのためかとても華やか。

2019年1月14日まで鑑賞できます。ライトアップされたら輝きが増し、さぞかし素晴しいことでしょう。