2012年4月24日

節子さんの絵物語

動物裁判
20世紀の偉大な画家バルチュスの未亡人、節子・クロソフスカ・ド・ローラさんは、ご自身も画家で個展をパリや日本で何度も開催し、
そのたびに好評を得ています。

そうした節子さんがご自分の絵と文で懇切丁寧に仕上げた絵物語が「動物裁判」。
主人公は節子さんのお孫さんの仙クン。
3ヶ国語を語る4歳の利発な少年です。
瞳がとても印象的で、節子さんは
「バルチュスそっくり」と語ります。
節子さんの絵物語では、仙クンは実際より大きな少年として登場しています。

物語はバルチュスが見た夢が基本になっているそうです。
その夢の話をバルチュスから聞いた節子さんがフランス語で書き留めておき、
今回それが絵と文で形となったのです。

節子・クロソフスカ・ド・ローラさん
物語も絵もさわやかで、
それでいて何か強く訴えるものがあります。
考えさせられることも多く、大切に保存しておきたい本です。

節子さんとはあるディナーで同席し、話がはずみそれ以来親しくさせていただいています。
素晴らしい人生を歩んでいる方だけあって、オーラが全身からほとばしっている稀有な女性。
本からもご自身からもいろいろと学ばせていただいています。

動物裁判
静山社