2015年2月2日

クラシック界に新風 23歳のジャン・ロンドー

クラシック界に
新風を巻き起こしている
ジャン・ロンドー

今フランスでは、クラシック音楽が
新たな局面に差し掛かっています。
クラシックをもっと身近な音楽にし、広く普及させようという動きがあるのです。

古典的な音色が魅力のチェンバロ演奏もそのひとつ。
フランスでクラヴサンと呼ばれるその楽器は、ルイ14世の時代に発達し18世紀に演奏が盛んに行なわれ、王妃マリー・アントワネットも日々練習に励んでいました。

チェンバロと言えばバロック、バロックと言えばチェンバロ。
そこから流れるのは宮廷の響き。ヴェルサイユ宮殿で、王侯貴族が華麗な生活を営んでいた時代へと誘うその音色は、精神の高揚を呼び起こさないではいません。


180cm以上もある
現代青年のジャン・ロンドー
そのチェンバロの鬼才が、突如、登場。
6歳で始め、ブルージュ国際古楽コンクールのチェンバロ部門で一位を得て、瞬く間に大評判獲得。しかも彼は23歳の若い青年であり、背が高く、スリムで、イケメン。ヘアースタイルはまるでロック歌手のようだし、ユ-モアに長けている。

2月1日のシャンゼリゼ劇場でのバッハの作品のコンサートは満席。
「今日こうして皆さんとご一緒できて幸せです」
と一曲演奏し終わると、客席に向って話しかけ拍手喝采を受けるのは、クラシックでは珍しい。
それが会場にいい雰囲気をかもし出したのは当然。
一挙に親密感が生まれます。
アールデコの
シャンゼリゼ劇場内に響く
     チェンバロの音色は格別

彼の手が動くたびに壁に光が走っているのが気になった観客が、立ち上がってそう伝えると、
「それは僕の時計のせいだ」
と取り外し、
「ついでに靴も脱ごうかな」
前代未聞の和やかで楽しいコンサートです。

演奏は文句なしに雅やか。古典があり、コンテンポラリーなタッチに加えてパーソナリティがあり、クラシックに新風が吹き込まれ、若返ったよう。
大きな可能性を秘めたカルスマ性あふれるジャン・ロンドーです。CDが発売されたばかりです。