2018年11月1日

メトロの駅名は語る 104

Michel-Ange・Auteuil
ミケランジュ・オトゥイユ(9、10号線)

ミケランジュは「メトロの駅名は語る103」と同じイタリア・ルネッサンス期の巨匠ミケランジェロのこと。オトゥイユはかつてこの界隈にあった村の名前。

600年ころに生まれたオトゥイユは緑豊かな落ち着いた村で、後年には多くの著名人、特に作家が暮らすようになりました。

そうした中に日本人にも馴染みあるルイ14世の時代の寵児、劇作家モリエールや、ナポレオンの時世の政治家であり作家のシャトーブリアン、19世紀のロマン派詩人で作家のヴィクトル・ユゴーもいました。1860年、村はパリに属するようになったのです。

テーブルを挟んで語り合うルイ14世(左)とモリエール(右)。

政治家であり作家のシャトーブリアン。
若き日のヴィクトル・ユゴー。

オトゥイユ教会が最初に建築されたのは11世紀。その後増築、改築が繰り返され19世紀に現在見られる教会になりました。

ローマ・ビザンチン様式のオトゥイユ教会。

オトゥイユの名はブローニュに森の中にある競馬場にも残っています。この地がかつてオトゥイユ村だったからです。競馬場は1873年に完成し今でも人気を呼んでいます。

賑わいを見せるオトゥイユ競馬場。
障害競走の最高の競馬場とされています。
このようにオトゥイユの名は道路名も含めて随所にみられますが、かつて存在していた村の名であったことはほとんど知られていません。ブログで触れる機会があってよかったと思っています。