2011年9月21日

ヴェルサイユ宮殿 4世紀にわたる家具展

「鏡の回廊」に再現された
第一次世界大戦の
講和条約調印式の様子
1789年に始まった革命で、王家の居城だったヴェルサイユ宮殿は荒らされ、家具や装飾品の多くが競売にかけられました。
その後長い年月をかけて買い戻したり、心ある人からの寄贈もあり、宮殿は徐々にもとの姿を取り戻してきました。

宮殿に常時置かれている王朝華やかな時代の作品も多数あり、それはいつでも誰でも観賞することができます。

今回ヴェルサイユ宮殿は、旧王室家具保管庁、現在の国立家具館と協力して、今まで公開されたことのない貴重な家具や美術品を展示。その中には
フランスの官庁関係から特別に借用している作品もあり、そうした稀有な品を目の前にすると、フランスの奥深さや世襲財産のすごさがわかります。

国王、王妃など愛用していた時計。
ルイ15世の愛妾マダム・デュ・バリーのコレクションだった気品あふれるベースもあれば、マリー・アントワネットがゲーム室で使用していたゴージャスなタペストリーもある。
ルイ16世やマリー・アントワネット、そのほかの宮廷人愛用の目にまぶしいほどのゴールドの時計も数多い。
ルイ15世の 愛妾ポンパドゥーウル夫人の、
若く美しさが頂点に達していた時代の肖像画もあります

マリー・アントワネットも使用していた
タペストリー
ヴェルサイユ宮殿はスランスの象徴的な建造物なので、歴史的に重要な出来事も多い。
そのひとつは、第一次世界大戦の講和条約調印を、宮殿の「鏡の回廊」で行ったこと。1919年6月28日のことでした。

マダム・デュ・バリー
のコレクション


その調印に使用したビューロー、インク入れ、床のタピストリーなどを同じように「鏡の回廊」に設置。それだけでなく、調印に出席した各国代表の写真も展示し、当時の様子をわかりやすく再現しています。

王子、王女の部屋はオリジナリティーがいっぱいです。王朝時代の装飾と肖像画の真っ只中に、コンタンポラリーな家具が置かれているのです。それが見事な調和をしているのは、アートへの大きな理解を持つフランスならではの試み。

サプライズがいっぱいの王子、王女の間
やはりフランスはすごい。
ヴェルサイユ宮殿はすごい。
そして何よりも、こうした重要な作品を一般に公開する民主性がいい。

12月11日まで開催。