2013年5月13日

ジャンヌ・ダルクの祝日

国王シャルル7世の
戴冠式のジャンヌ・ダルク。
彼女の肖像画というより、
画家アングルの想像作品。

イギリスに占拠されていたフランスを
救った少女として、
世界中で名高いジャンヌ・ダルク。

聖女にまで昇進した彼女の銅像は、
パリにいくつもあるけれど、
サン・トーギュスタン教会前とチュイルリー公園近くの騎馬像は、
見るからに雄々しく大人気。

5月12日午後、
このふたつの銅像をつなぐ路上で、
ジャンヌ・ダルクの行進があり、
パリ市民もツーリストも大喜び。

行進の先頭を行くジャンヌ・ダルク

考えてみると5月は彼女の記念日が多い。

1429年5月8日
イギリスに占領されていた町オルレアンを、激戦の末、開放。

1430年5月23日
パリの北、コンピエーニュの森で、
イギリスと手を組んでいた敵、
ブルゴーニュ軍に捕らえられる。

5月30日
宗教裁判の結果、
魔女の汚名をきせられ19歳で火刑。
聖女ジャンヌ・ダルクへのオマージュの
長い行列が続く

1920年5月16日
ローマ教皇ベネディクトゥス15世により聖女となる。

と、これだけ揃えば、
5月はジャンヌ・ダルクの月とさえ言える。
だから、行事があっても不思議ではない。
実は彼女が聖人に列せられた1920年に
5月第二日曜日をジャンヌ・ダルクの祝日、
別名、愛国心の祝日と決めたのです。
そのために、フランス各地で様々なイベントがあるのです。

勿論、愛国心の固まりの
ベテランも登場
何か変わったことがあると、すぐに夢中になる私。
 なので、もちろん、
心躍らせながら見物に。
ジャンヌ・ダルクの生家や、
彼女が通っていた教会を訪問したこともあるだけに、
無関心でいるわけにはいかない。
目的地はもちろん行進の出発点のサン・トーギュスタン教会。

目の前に見える馬上のジャンヌ・ダルクは、実にりりしい。
本物でないことを充分承知しているのに、
甲冑に身を固め、武装した多数の兵士に囲まれている姿を見ると、
これが奇跡の少女か、
と感激してしまうのだから不思議。

終着はチュイルリー公園近くの
ジャンヌ・ダルク像。
そこで聖女ジャンヌ・ダルクと
愛国心に関して長い演説。
彼女と共に戦った兵士たちも、国王から授かった旗を振りかざしながら、立派な武装姿で先頭を行くジャンヌ・ダルクに、戦闘心を掻き立てられたのに違いない。
もし、彼女がみすぼらしい身支度だったら、
そうはいかなかったと思う。

ジャンヌ・ダルクを駆り立てたのは純な愛国心。
だから彼女の祝日には、愛国心を盛り上げようとフランスの国旗が華々しく飾られる。
赤、白、青の三色旗は、見れば見るほど美しい。

特に5月の晴天の日にはそれが青空に映え、
誰もが愛国者になりそう。
とは言うものの、このところ経済が下降線をたどる一方のフランス。外国移住の若者が急増しているのが事実。人気の国はイギリス、スイス、カナダ、ドイツだと統計が語る。

5月12日の祭典によって、何か変化が起きるのかしら?
いろいろとあるけれど、
私にはパリが一番合っている、
と再認識したジャンヌ・ダルクの祝日でした。