2011年5月18日

フランス高官のスキャンダル

フランスのメディアも国民の目も、今、こぞってニューヨークに集中。
国際通貨基金(IMF)専務理事、フランス人のドミニック・ストロスカーンが、
ニューヨークの高級ホテル、ソフィテルの女性従業員から性的暴行を受けたと告訴され、逮捕され、監獄に留置されたため。
この信じられないような電撃ニュースに、フランス全土が沸き立ったのは当然。

何しろ彼は、来年の大統領選で、現大統領ニコラ・サルコジーの強敵と見られている人物。その選挙戦まぎわにこうした事件が起きたために、人々の関心は高まる一方。

「これは誰かの陰謀にちがいない」
「いや、彼は以前から女性に言い寄ってばかりいた」
「事件後、パリ行きの飛行機に乗り、離陸10分前に逮捕されたというのだから、やはり、怪しい。国外逃亡を計ったのではないか」
「それは前々から予定されていた帰国だった」
「話があまりにもうますぎる。彼を陥れるたくらみとしか考えられない」
一般の人はこのように自由に意見を言ってるけれど、ストロスカーンが所属する社会党は、この微妙な事件に誰もがはっきりしない意見ばかり。

フランスで問題になっていることのひとつは、アメリカの報道の仕方。
まだ、事実は何もわかっていないのに、手錠をかけられた写真が堂々と発表されていることから、人権無視とさえ語られています。フランスではそれは禁止されていること。

高級ホテルのスイートルームから3mX4mの独房に移されたストロスカーン。
テレビの人気キャスターだったアンヌ・サンクレール夫人が、ふたりで闘うとニューヨーク入り。大統領夫人を夢見ていたのに、犯罪容疑者妻になり、気の毒。
弁護士はマイケル・ジャクソンを無罪にしたすご腕の人。
一刻も早くこの事件の真相を知りたい。