2013年6月21日

アデュー、ジャン=ルイ・シェレル

エレガンスの創造者、ジャン=ルイ・シェレル

20世紀を飾った偉大なデザイナー、
ジャン=ルイ・シェレルが78歳の生涯を閉じました。

イヴ・サンローランと同じようにクリスチャン・ディオールの元で育ち、自分のメゾンを築いた巨匠のひとりが、また去ったのです。後数日でオート・クチュールのショーが始まる直前のことでした。

 シェレルがクリエートするエレガンスに魅了された女性は、ベルギーのパオラ妃、ジャクリーヌ・ケネディ、フランスやアメリカの大統領夫人など上質な人ばかりでした。限りなく優美で、品格があり、まるでクラシック音楽の旋律が聞こえるような完璧なライン。
コレクション発表は多くの人にとって待ち遠しいことでした。


彼の経歴を語る本が
出版されたときに、
優しい言葉とサイン入りで
贈ってくださいました。
彼との思い出はたくさんあります。
ディオールの本を書いていたときに、
サンローランと一緒の未公開の写真を貸してくれたジャン=ルイ。
モロッコのタンジェに大きな別荘を持っていて、部屋も、階段も、バスルームも、家具も何もかも真っ白だった夢のようなインテリア。
そこで過ごす夏はいつも8月。

サンシュルピス教会が窓の前に見える
パリのアパルトマンには、18世紀の日本の屏風が飾ってあり、日本をいかに愛しているかと情熱を込めて語っていたジャン=ルイ。

パーティやディナーを催すときには、自ら花市場に行って白い花を買い、自ら活け、
オペラ座で歌舞伎公演があったときには、衣装をしっかり見たいから、
舞台に近い席をなんとかして欲しいと電話してきたこともある。

正統エレガンスを布で語り、思い出をたくさん作った彼が、旅立った。
地球がまた寂しくなりました。