2014年4月6日

パリ 1900年 


プティ・パレで開催中の「パリ 1900年」は、
当時の雰囲気をたっぷり味わえる貴重なエキシビション。その時代はパリがもっとも美しく輝いたベル・エポック、つまり良き時代です。

文芸が栄えたベル・エポックに関しての原稿依頼が結構多い私としては、見逃すわけにはいかないと早速足を運びました。
フランス人がもっともノスタルジーを抱く時代であるからには、たくさんの訪問者がいるにちがいないと、覚悟していたとおり、長い行列。

平日なのにすごい行列
プティ・パレ自体が
1900年のパリ万博の会場として建築された当時の建造物だから、これほど理想的な会場はない。

開通したばかりの地下鉄の模型もあるし、
ギマール作のメトロの入り口もある。
ふわっとした長いドレスの淑女とシルクハットの紳士たちが、優雅に行き交う当時の映像もたくさんある。
アール・ヌーヴォーの家具、ジュエリー、陶器、盛んだったキャバレーのポスターも豊富。

才能豊かな芸術家が多くの名作を残した時代でもあり、ルノワール、モネ、セザンヌ、ロトレック、ドガ、ロダンの作品も身近で観賞できる。


貴重なのは、オート・クチュールの元祖ワースの作品や、彼のブティックとアトリエの写真があること。
本物のマヌカンに新作を着せて歩かせ、顧客に披露している場面もあり、
感激。

そうなのです、ワースが現在のショーの基礎を作ったデザイナーなのです。ナポレオン三世の妃ウジェニーがお気に入りで、大成功をおさめます。

訪れる人々を1900年へと誘う演出と、
作品の数の多さには圧倒されるほど。ゆったりと観賞していると、フランス人がなぜこの時代にノスタルジーを抱くか納得します。

パリは、いつの時代もそれぞれの素晴らしい輝きがある街。
へミングウェイがいうように、パリは移動祝祭日。
パリで一時期でも青春を送ると、その後どこで暮そうとも、パリはついてくるのです。

プティ・パレ
8月17日まで。