2014年4月15日

ジョゼフィーヌの息子、ウジェーヌ・ド・ボーアルネの邸宅

ウジェーヌ・ド・ボーアルネ

以前からずっと願っていた、ある旧邸宅訪問がついに実現し、この上ない幸せ気分です。
その館は、ナポレオンの最初の妃ジョゼフィーヌの息子、ウジェーヌ・ド・ボーアルネが住んでいたもので、
建物の全館から放たれる煌きは、まるで宝石のよう。

セーヌ左岸の邸宅は1710年に建築が開始され、その後持ち主が数回かわり、ウジェーヌが手に入れたのは1803年。母の夫ナポレオンが皇帝になる一年前のことです。

瀟洒な館は、ジョゼフィーヌの高尚な趣味が選んだ家具で飾られ、重厚であると同時に洗練の極めがあります。バスルームは花園の中で憩っているかように豊富な植物の装飾があり、音楽室、舞踏会の間は天井も壁も華麗そのもので、人々の絶賛をかっていました。
ところが、1814年、ナポレオン打倒を叫ぶ連合軍がパリに進入。威勢を誇っていたナポレオンは失脚し、退皇帝位に追い込まれます。

パリに進入したプロセイン王ヴィルヘルム三世が、滞在中に暮していたのがウジェーヌの館。あまりにも美しい趣の邸宅に、すっかり魅了された彼はプロセインの大使館にします。
後年には、ビスマルクやワグナーが滞在したこともあるそうです。

時が流れ、第二次世界大戦でドイツが敗れ、邸宅はフランス政府所有となります。
けれども、1962年にドイツに譲与されることになり、現在はドイツ大使公邸。

ということで、よほどのことがない限り足を入れることは出来ないのですが、ナポレオン史学会がオーガナイズして最小限の人数で訪問となったのです。
これに感激しないではいられません。

重厚なエントランス。
エジプトの影響が見られます。
ナポレオンの義理の息子にあたるウジェーヌは優秀な軍人で、大佐になり、
その後イタリア副王やヴェネツィア公、フランクフルト大公などの爵位を得ます。

彼はバイエルン王女と結婚し、ふたりの間に生まれた娘ジョゼフィーヌが、スウェーデン王子オスカルと結婚。後にふたりは国王、王妃となり、その子孫が現在のカール16世グスタフ国王。このように歴史を辿るとますます興味が深まりますね。

ウジェーヌの旧邸宅、現ドイツ大使公邸には、彼が住んでいた時代の豪奢な雰囲気が当時のまま残っています。豊富な金箔、数多くの豪華な鏡、無数のシャンデリア、年代物の家具、きれいな装丁の蔵書、大理石の幅広い階段、壁を飾る絵画、彫刻で目眩を覚えるほど。

入り口近くに
邸宅の歴史の表示があります。

これこそパリの洗練を極める邸宅。
ナポレオンの第一帝政時代のもっとも美しい姿を残していると賞賛されているそうです。

2階の窓からは広い庭園と、その先にセーヌ川が見える絶好の地。
パリへの想いが一層深まりました。