2014年9月15日

パリの田舎


パリは整然とした街並の美しさで
世界に名をなしています。
同じ色の石灰岩の建物がどこまでも続き、
高さと色の制限を厳格に守り、
街路樹が整列していて、
確かに、どこから見ても文句なしに美しい。
パリの真っ只中に咲く
ラヴェンダーの花

 こうした街を見ていると、
パリジャンがいかにも几帳面な人のように思えますが、 よく気をつけて見ると、そうでない部分があることがわかります。

信号の下に雑草がはえていたり、
ちょっとした穴で雑草が育ったりしている。

チュイルリー公園内の野菜畑。
トマト、ピーマン、ヅッキーニ
などが育っています。
それを処理しないでそのままにしているのが
パリジャンのいいところ。

そこに雑草がはえたいのならはえればいい、
別に自分たちの生活に迷惑でもないから、
というのが彼らのエスプリ。

雑草が小さな場所で幸せそうに育っているのを見ると、私はとても和やかになる。
そして
「ああ、今日も元気にしているのね」
などど思ってしまう。


今日も幸せそうな名のない雑草たち。
こうした光景を私は
「パリの小さな田舎」と呼んでいます。

パリの公園の中にも田舎があります。
 これはもっと大規模で、ラヴェンダーが彼方まで植えられていて、風が吹くとあたり一面に芳しい香りが飛び散ります。
 野菜畑もあるし、蜂蜜も作っているパリ。 

パリは大都会。でも人々の心に安らぎを与える田舎の光景も共存しているのです。