2019年7月15日

メトロの駅名は語る 128

Mabillon
マビヨン(10号線)

17世紀から18世紀にかけての修道士であり歴史家ジャン・マビヨンに捧げる駅名。

ジャン・マビヨン
(1632-1707)

農婦の家に生まれたマビヨンは早くから宗教の道を選び、神学や哲学を学んだ後パリの北にあるサン・ドニ大聖堂で司祭の仕事を始め、そこに葬られている歴代の王家の人々に関する資料などの管理に携わっていました。

マビヨンの時代のサン・ジェルマン・デ・プレ修道院。

32歳のときに6世紀に建築されたパリのサン・ジェルマン・デ・プレ修道院から、歴史上重要な史料の管理を依頼されます。知識欲旺盛なマビヨンはフランス各地だけでなく外国にまでに足を運び、貴重な資料を集めたり丹念に調べ膨大な聖人伝を執筆しました。現存する学生街のサン・ジェルマン・デ・プレ教会は、その修道院に付属する教会として建築されたのです。

マビヨンは1686年6月4日から
6世紀に建築されたイタリアのボビオ修道院に滞在していました。
そこからフランスに持ち帰った貴重な手稿。

歴史神学や古文書研究に生涯を捧げ、「古文書史」「聖人伝」を刊行し計り知れないほど教会史に貢献し多くの影響を与えたマビヨン。けれどもあまりにも専門的な著書なので一般の人に名は知られていません。メトロの駅名から彼に興味を抱くようになる人がいれば幸いです。