2010年6月20日

スウェーデン、王女の結婚

         
くったくのない笑顔がチャーミングなスウェーデン皇太子ヴィクトリア王女が、ついに結婚。お相手はダニエル・ベストリング、元高級ジムのオーナー。

彼は民間人。王女がそのジムに通い、特別コーチを受けていたことから、ロマンスが生まれたという本物のラヴストーリー。
やはり身分違いが問題になり、王女は両親の説得に何年もかけたとか。

考えてみると、王家の人が民間人と結婚したのは、明仁天皇と美智子皇后がほぼ最初だったのではないかと思います。
何しろそれは1959年のこと。そうなると、日本はそうしたことに理解のある、非常に近代的精神を持つ国ということになります。

その後、現在のスウェーデン国王はドイツ人の民間人と結婚したし、
ヨルダン国王も、モロッコ国王も同じ。
将来国王になるスペイン、ノルウェー、オランダ、デンマークの皇太子も、皆、お相手は民間人。その誰もが、魅力的な女性ばかり。
もちろん国の代表としての知識や教養も豊かで、顔にも態度にもあられている。

ヴィクトリア王女のシンプルなドレスと対照的なのが、歴史を感じさせるカメオを施した重厚なテイアラ。それもそのはず、もともとは、ナポレオン皇帝の妃ジョゼフィーヌが愛用していたもの。ナポレオンからジョゼフィーヌへのプレゼントで、製作者は宝石商ショーメ創立者のニト。

それがなぜスウェーデンに?
それには深いわけがあるのです。
ジョゼフィーヌが最初の夫との間に持った息子ウジェーヌが、
母の形見としてそのテイアラを受け取り、ウジェーヌの娘ジョゼフィーヌに、
そのテイアラをプレゼントしていたのです。
彼女はスウェーデン皇太子オスカルと結婚し、やがて王妃の座に。
オスカルの母デジレはナポレオンの初恋の人、父はナポレオンの部下だった人。
そして結婚したのが、ナポレオンの最初の妃ジョゼフィーヌの孫娘。
ということで、その子孫のヴィクトリア王女はナポレオン、ジョゼフィーヌと非常に深い関係がある人なのです。

民間人との結婚で、世界の王室が変化を見せている今日。
それに一番敏感なのは、革命を起こし、王家を失ったフランス。
それでも、王家の血筋を引く子孫があちこちにいると言い張っているけれど、現代のフランスで王政復古が起きる可能性はゼロ。その必要さえない。
それだけに他国の王室が気になって仕方がないフランス人。
ノスタルジーは果てしなく続く運命なのです。