2012年8月12日

フランス人はエジプト大好き

最初の訪問はカイロ近郊の
サッカラにある世界最古の
ピラミッド。
フランス人はエジプトに並々ならない関心を抱いている国民です。
そのエジプトで常に引き合いに出されるのがナポレオン。

中でも、ナポレオンの名言はくり返し語られています。
カイロでの激戦を直前にした1798年のことです。
「ピラミッドの頂から、4000年の歴史が諸君を見つめているのだ」
何という才知に富み、何という博学で説得力ある言葉。

カルナック、アメン神殿の
大列柱。気絶しそうなほど壮麗
ナポレオンのこの言葉に戦闘心を掻き立てられた兵士たちは、彼のため、フランスのために命をかけて戦ったのだから、ナポレオンはやはりすごい。まだ皇帝になる前のことでした。言葉がいかに人の心を動かすか、ナポレオンはそれにたけ、践していた人。彼が子供のころから憧れていた英雄、古代マケドニアのアレキサンダー大王やローマのシーザーのように。

ナポレオンのエジプト遠征が、単なる遠征に終わらなかったことも素晴らしい。遠征隊がロゼッタで作業にあたっていたときに見つけた石盤に、エジプトの文字ヒエログリフ(象形文字)が書かれていて、その重要性を直感t的に見抜き、後に解読に成功したのです。

ルクソールのメムノン巨像
難解なヒエログリフ解読をライフワークとし、解き明かしたのも若きフランス人、シャンポリオン。彼の功績により、それまで謎が多かったエジプトの歴史や文明が解明されたことは、フランスの大きな誇り。

ロゼッタ・ストーンは後年にイギリスにもって行かれ、今では大英博物館にあるものの、ナポレオンのエジプト遠征のお陰で、エジプトの偉大な過去が世界に知れ渡ったのだから、エジプト人のフランスへの評価も大きい。
だから、エジプトに行くときには絶対にフランス人のツアーで行くべきだ。なぜならいいことばかりにちがいない、と私は正当な理由を考え参加。

フェラエ島のイシス神殿
エジプトとの関係が深いフランスには、ナイル川下りの船中も含めて連日の講義つきツアーがある。
これに参加すればエジプトがしっかりわかるはず。
しかも、夏に行けば40度をこえる気温だから、体の奥底まで強烈な印象が残る。エジプトは盛夏に行かなければならない。
そう考えての真夏のエジプト見聞の旅。

ところが、やはり、厳しい。外はまるで酸欠しているようで、息も十分に吸えない。
ほんとうに猛烈に暑いのです。
どの写真を見ても頭を布なり帽子でしっかり守り、サングラスで目も見えない。例外は、エジプト民族衣装での船上ディナーのときだけ。これでは一体誰が写真に写っているか判断しにくい。

経験してわかったことは、これだけの暑さになると肌を出すのがいいのではなく、布で隠して保護しないと焼けるなどどなまやさしいものではなく、焦げてしまうのです。

いろいろと学んで知識が増えたようだけれど、あまりにもたくさんの説明があり、しかも舌がからまりそうな人名や神殿、神様の名が多くて、学んだことが頭の中で複雑に混ざり合い、解明にかなり時間がかかりそう。

ナイル川船上でのディナー。
エジプトの民族衣装で。