2014年6月7日

ノルマンディー上陸作戦70周年記念


第二次世界大戦初期に戦いを失い、屈辱のドイツ支配が続いていたフランス。
それに耐えられずいち早くロンドンに渡り、BBC放送を通して、フランス国民にレジスタンス運動を起こすよう呼びかけたシャルル・ドゴール。

ドゴールの呼びかけに応じて、フランス人は愛国心の固まりとなって、各地でレジスタンスを行ないました。

一方、英仏海峡に面したノルマンディー地方では、連合軍の上陸作戦計画が極秘の内に進められ1944年6月6日に決行。

この作戦で上陸したアメリカ、イギリス、カナダを主要とする連合軍と、レジスタンスが力を合わせ、激戦につぐ激戦の結果、ノルマンディー地方のドイツ支配の町を次々に解放。その後も戦いを続けながらパリに進軍し、首都が自由を獲得したのは8月25日。この作戦でもっとも多くの犠牲者を出したのはアメリカ。 その激戦地はオマハ・ビーチ。

ノルマンディー上陸作戦で命を落とした
9000人以上のアメリカ兵の墓地。
墓標はアメリカに向っています。

フランス開放のために命を失った兵士たちが眠るアメリカ兵の墓地は、そのオマハ・ビーチを見下ろす地にあります。9387人のヒーローひとりひとりの墓標があり、名前と戦死した日付と場所が刻まれています。そのすべてが故郷アメリカに向っている感動的な墓地。

オバマ大統領がノルマンディーに到着して、最初に足を運んだのはそこでした。フランス大統領を迎え、両国の国家演奏があり、演説。オバマ大統領の祖父が、この歴史上最大の作戦と呼ばれるノルマンディー上陸に参加していただけに、感慨が深いようです。

ノルマンディー上陸作戦が実現して今年で70周年。これを記念する行事が6月6日に現地で行なわれ、エリザベス女王、デンマーク女王、ノルウェー国王、オランダ国王、オバマ大統領、プーチン大統領、キャメロン首相など大物が揃って出席。盛大な記念行事が朝から続き、ランチはシャトー・ベヌヴィルで。

18世紀に建築されたこのシャトーは、第二次世界大戦のときには、恵まれない女子のための施設となっていました。そのディレクターは、早くからレジスタンに参加し、ドイツの情報を詳細に渡って収集し、仲間たちに渡し、重要な役割を果していたのです。
まさかその施設が、レジスタンスの重要な役割を果たしていたなどと、ドイツ軍は思ってもいなかったために、事はうまく運んでいたようです。いうことで、今回の式典にふさわしいシャトーです。

この記念式典で一番大きな注目を浴びていたのは88歳のエリザベス女王。今回集まった各国代表の中で、大戦中に軍服を着た経験があるのはエリザベス女王のみ。そして、もちろんオバマ大統領も大変な人気。エリザベス女王は彼を大変お気に召していらっしゃるとのこと。

今はウクライナの問題が加熱している時期。18カ国の首脳がフランスに集まるこの機会をいかして、首脳会談もいくつか行なわれるようです。平和はいつの時代でも重要。この記念すべき日の一点の曇りもない青空のように、爽やかな解決をと願うばかり。

夜は、エリザベス女王を主賓とする。ロングドレスとタキシードの正装ディナーがパリの大統領官邸でありました。テレビでは10時間に及ぶ大特集。これも、歴史に残る記録ではないかと思います。