2017年7月28日

メトロの駅名は語る 49

Oberkampf
オベルカンフ(5,9号線)

クリストフ=フィリップ・オベルカンフ
プリント布地で王侯貴族を魅了したクリストフ=フィリップ・オベルカンフの名が駅名になっています。

1775年の暮らしを描いた作品。
名前からわかるようにオベルカンフはドイツ出身で、フランスで印刷、版画を手がけていました。
彼がヴェルサイユ近郊のジュイ・アン・ジョザスにリントの布地工場を創立したのは1760年で、ルイ15世の時世でした。

18世紀末の鹿狩りの光景。
インド風の更紗に様々な光景を木版、銅板でプリントした布地は、製作していた土地の名を冠して「トワル・ド・ジュイ」と呼ばれるようになります。 この地域に流れる川の質が更紗製造に適しているために、オベルカンフはジュイ・アン・ジョザスを選んだのです。

マリー・アントワネットが感化を受けた、
自然復帰を広めた哲学者ルソーのお墓。
トワル・ド・ジュイに施される田園、動物、花々、小鳥などのモチーフはロマンテイックで優雅で、マリー・アントワネットの格別のお気に入りとなり、工場に何度も足を運び、ついにルイ16世によって王立工場とされたほど。

1789年、革命が起きた年に製作した四季がモチーフの作品。
ナポレオンは業績を称え オベルカンフにレジオン・ドヌールを授け、トワル・ド・ジュイを訪問しています。現在はプリント生産されていますが、当時のモチーフを生かした製品多くの愛好者がいます。