2010年1月27日

ディオール大好き!

1月末はオートクチュールの季節。
25日のトップを飾ったのはディオール。
アヴェニュー・モンテーニュのディオール本社は
この日、バラの花飾りと着飾った華やかな人々で夢の館に変身。
日常は彼方に姿を消し、かけらすら見えません。
そこにあるのは限りなく華麗で甘美な世界。

クリスチャン・ディオールが第二次世界大戦後、
人々がまだ不安と同居していた時代に、 贅沢で、
豊かさが満ち溢れ、この上なくエレガントな
コレクションを発表した、その時代を彷彿させるようなショーでした。
本社でショーを開いたのも当時と同じならば、
豊かさとフェミニンの象徴的存在のドレープが多いスカート、
ウエストを絞り腰と胸が強調されたデザインも同じ。

けれども鬼才ジョン・ガリアーノは、単なる過去の再現ではなく、
創立者ディオールが意図することを忠実に守りつつ、彼独自の創造性を全ての作品に明確に表現。ガリアーノの才能が発散するインパクトのある現代性は、体中の細胞に働きかけ、感激がすごい勢いで全身を走ります。
別の惑星からこの日のために地上におりたったような、手も足も細く長く、完璧な美しさを持つマヌカンが披露する作品の豊かさは、
そこにいる全ての人を非日常の世界に導かないではいないほど素晴らしい。

クリスチャン・ディオールがデビューした時代は、経済が混沌としていた時代。今の世も同じ状況。
そうした時にあえて美麗な作品を発表し、
人々を、たとえつかの間であっても、夢の世界へと誘うディオール。
やはりモード界の王者ならではの余裕と才知です。