2010年4月11日

気の毒なポーランド

先日のイースターの際に、ポーランドに関してブログを書いたばかりなので、今回の悲劇は人事に思えません。どうしてポーランドばかりが、こうもひどい目にあうのかと心が痛むばかり。

旧ソ連軍に約2万人ものポーランド将校が虐殺された「カチンの森事件」から、今年は70周年記念の年。その追悼式に参加するために、カチンスキ大統領が夫人や多数の政府要人とロシアに向かい、これを機会に、ロシアとポーランドの関係が好転するだろうとフランスでも報道したばかり。それなのに、特別機はロシアのスモレンスク近郊に着陸する寸前に墜落。それは、まるで、ロシアとポーランドの友好を拒否するような事件のように思えてなりません。スモレンスクはナポレオンのロシア遠征の際の激戦地であり、第二次世界大戦の時にも、激しい対ドイツ戦が繰り広げられ多くの犠牲者をだした戦地。そこで事件が起きたというのも、何となく暗示的。
パリのサントノレ通りにあるポーランド人教会は、事件が報道されると何台ものテレビカメラが、急を知って集まったポーランド人を撮影していました。

そしてその翌日の今日、日曜日、教会に行ってみると早朝のミサが行われていて、神父さまの声が路上にまで届いていました。入り口近くの立派な柱には、ポーランドの半期がひるがえり、その下に大統領夫妻の写真が飾られ、さらにその下には、在仏ポーランド人が捧げた無数の花束とキャンドルが、悲しみの人々の視線を捉えていました。
教会で誰もが深くひざまずき、祈りを捧げるその姿に、がんばってと再び無言の言葉をかけないではいられない。でも愛国心が強く、結束することを知っている彼らのこと、きっとこの悲劇から素早く立ち上がり、幸せをつかむ努力をすることでしょう。