2010年4月15日

オペラ座の忘れえぬソワレ


本当にびっくりしました。
というのはオペラ座でのソワレの招待状を受け取り、ドレスコードが男性はブラックタイ、女性はソワレドレスと書いてあったので、そうした仕度でウキウキと出かけたところ、驚くほど厳重な警戒。

周辺の道路には通行止めのテープが張り巡らしてあって、車でオペラ座近くまで行けない。鉄柵があちこちにあり、歩行者がオペラ座に近づけないようにしてある。警官の人数が信じられないほど多い。そればかりではなく、機動隊の車が何台もオペラ座の前にも両サイドにも控えている。車体も黒いし窓も黒くて中が見えないようになっているので、とても不気味。

「よほど偉い人がこのソワレに来るのね」
と一緒に行った友人とおしゃべりしながら、オペラ座に近づこうとすると、何度も招待状を見せるようにと言う。やっとオペラ座の中に入ると、あの、大理石の豪奢な階段に、共和国騎兵隊がずらりと並んでいるではないか。そのかっこいいことといったら、気が遠くなるほど。マリー・アントワネットは軍人の制服に弱かったそうだけれど、その気持ちがよくわかる。

背の高い、容姿が整った若い男性たちがフランスの三色旗の赤、白、青の制服に身を固めたりりしい姿は、本当にため息が出るほど素晴らしい。そうした中を通りながら席に着く。


フランスのパストゥール研究所とイスラエルのワイズマン研究所が合同でガンやエイズの研究を始めて今年は35周年記念。それを祝うソワレ。舞台に照明があたり、そこにイスラエル大頭領シモン・ペレスの姿を見て、警戒の厳しさが納得できました。招待状にはセキュリティーのためか、書いてなかったのです。

オーケストラによる両国の生の国家演奏、ペレス大統領の言葉、バレー、歌などがそれに続き、その後ディナー。私は国家演奏にとても弱く、どの国のを聞いても感動するたちなのです。特に今回はイスラエル。感激はひとしお。

すべてが終了し、真夜中に外に出るとすごい人だかり。これほど印象深いしソワレに出席できたことは、記憶の奥に残る思い出。4月だというのに気温が低いパリ。でも私の心は燃えていて、とてもとても暖かかったのです。