2010年5月9日

5月8日の重要性

5月8日はフランスでは二つのお祝いが重なる重要な日。
ひとつは、フランスを救った少女として名高いジャンヌ・ダルクが、オルレアン市をイギリス支配から解放させた日。はるか昔の1429年のこと。そしてもうひとつは、第二次世界大戦がヨーロッパで終了した日。1945年のことで、この日は「勝利の日」と呼ばれます。

戦いの勝利を祝い、全ての官庁関係の建物にはフランスの国旗がひるがえり、
ますます美しい街になるパリ。
ジャンヌ・ダルクはどうかというと、パリの場合にはチュイルリー公園近くの彼女の金ピカの騎馬像に立派な花が飾られ、道行く人の足を捕らえます。
オルレアンや彼女の処刑地のルアンにも花が飾られ、 
ジャンヌ・ダルクの名は常に人々の口にのぼるのです。 
                     
ジャンヌ・ダルクは「ドンレミの小さな村に生まれて・・・」
と私が小さいときに読んだ本に書いてあり、その後も誰もがドンレミと発音していたのですが、一昨年に彼女の生まれ故郷に行ってドンレミではなく、ドムレミが正しいのだとわかりました。スペルもそうだし、現地の人も皆ドムレミと発音。こうした間違いって以外と多いのです。
まあそれは大したことではないのですが、
ジャンヌ・ダルクの生家が残っているというのは、
やはり、かなりの感激。
ほんとうに小さい村で、しかも人里はなれていて、よくまあこんな田舎の無名の少女に、後のシャルル七世は軍を任せたものだと思わずにはいられないほど、何もない地。彼女が生まれた部屋を見たし〔右の写真〕、生前の彼女の唯一の肖像デッサンも見たし、サインも見たし、洗礼を受けた教会も訪問したし、なんだか最近は、ジャンヌ・ダルクが身近に感じるようになって不思議な気分。
歴史上の人物もその足跡をいくつも辿ると、
自分が本当に知っていた人のように思えてくる。
それだからこうした旅はやめられない。
今度は何世紀の誰に会いに行こうかしら。