2016年11月10日

メトロの駅名は語る 11

Gare de Lyon
ガール・ド・リヨン (リヨン駅) (1,14号線)

何本ものメトロや長距離列車発着で一年中にぎわっているこの駅は、 19世紀半ばから主要都市のパリとリヨンをつなぐ列車の発着所でした。

1859年2月3日、
サルデーニャ王国のクロチルド王女を迎えたリヨン駅。
1849年に最初に造られたのは木造の小規模な駅でした。
1855年になると利用者も増え、パリ・リヨン鉄道会社により大々的な工事が行われ、立派な天井がつく近代的な駅になります。

1910年、立派な建造物になったリヨン駅。

1900年、パリ万博でメトロが開設されることになり再び改装。その際に、現存するレストラン「ル・トラン・ブルー」も誕生。 
かつて、ノルマンディー地方のカレーからリヨン駅を通って南仏に行く夜行列車があり、車体にブルーが塗られていたために青い列車という意味のトラン・ブルーと呼ばれていました。

ベル・エポックを満喫できるレストラン「ル・トラン・ブル-」
メトロ解説のときに誕生したレストランも、当初は単に「リヨン駅食堂」と、味気ない名だったのが、1963年、「ル・トラン・ブルー」と改名。1970年には歴史的建造物となりました。ベル・エポックの空気が今でも感じられるインテリアがすばらしい。

メトロ、RERに加えて1981年、TGVが開設されさらに大きく変わったリヨン駅は、67メートルの時計台が人気者。オードリー・ペップバーン主演の「昼下がりの情事」の劇的な場面にも登場するリヨン駅には、なぜかノスタルジーを掻き立てられます。