2016年11月2日

メトロの駅名は語る 9

Hôtel de Ville
オテル・ド・ヴィル (1,11号線)

「オテル・ド・ヴィル」は市庁舎という意味で、 ルネッサンス文化をフランスに浸透させた国王、フランソワ1世の時代に建築が開始されました。
父王ルイ3世の時代に完成したパリ市庁舎に迎えられたルイ14世。
無数のシャンデリアの輝きを受けながら豪勢な晩餐会。

フランソワ1世の時世の16世紀半ばから、ルイ13世の時代の17世紀初頭まで建築が続いた市庁舎は、大きな窓から自然光がたっぷり入る、洗練を極めたルネッサンス様式です。
1789年7月17日、パリ市長舎を後にするルイ16世。
この市庁舎はヴェルサイユ宮殿に宮廷が置かれていた王朝時代にも、首都を代表する場として重要な役割を果たしていました。
例えば、王家に世継ぎが生まれるたびに、市庁舎前の広場で華々しく花火をあげ、パリ市民はその誕生を祝っていたし、1789年7月14日、バスティーユが襲撃され革命が始まったことを知ったルイ16世は、17日、市庁舎に行き、制定された赤、青、白の三色の帽章を受け取ってつけ、自分が国民と共にいる表明を示しました。赤と青はパリ市の色で、白は王家の色。両者が平等であることを示すこの三色が、後にフランス国旗になります。

1855年、イギリスのヴィクトリア女王をお迎えし、
歓迎舞踏会が開催されました。
数多くの歴史を刻むその建物は1871年、パリ・コミューンによってチュイルリー宮殿と同じように燃やされてしまいます。その後直ちに再建され、かつての栄華を取り戻したのです。
火災後に再建された市庁舎。