2016年11月7日

アール・ド・ヴィーヴル

「アール・ド・ヴィーヴル」というフランス語を日本語に訳すと、「生活アート」「芸術的生活」「暮らしの芸術」など様々ですが、要するにアート的なステキなライフスタイルということ。幸い、最近はアール・ド・ヴィーヴルという言葉が、そのまま日本で通じるようです。

インテリアの第一人者、アルベルト・ピントの本。
序文を書いたのは彼の友人のデザイナー、ジバンシー。
ため息をつかないではいられない、
夢のようなインテリアばかりです。


アール・ド・ヴィーヴルでもっとも大切なのはインテリア。フランス人はインテリアにこだわる国民という定評があります。特にパリジャン、パリジェンヌの住まいにかける情熱は半端ではない。お金をかけていなくても、ステキなのです。高価な家具や絵を置かなくても、配置の仕方を工夫したり、雑誌の切抜きを額にいれて壁にかけるだけでいいのです。服装も同じです。ブランド物を着なくても、自分に合う品を買って自分で上手にコーディネイトするのです。

そうした国なのでインテリアの本がとても多い。月刊誌もたくさんあるし、アート性高い高級な本も多い。クリスマスやバースディにこうした本をプレゼント人も多い。表紙がきれいな本を何冊もサロンのテーブル上に置き、装飾の一部にするのもパリジャンが好きなこと。知的だし見た目に美しい。

書店の奥まったところに、本の1ページの大きな写真を飾り、
まるでこの部屋に招待されたような思いを抱かせる演出。
こうしたセンスはさすがと感嘆するばかり。
白い服のリンダ・ピントが左でサイン中。
今回大手の出版社からリンダ・ピントがインテリア本を刊行。そのサイン会が歴史を誇る書店でありました。ホテル、邸宅、プライベートジェット、豪華船など、インテリアデザイナーとして世界中に顧客を持つアルベルト・ピントの夢のようなインテリアが満載。ご本人は2012年に亡くなりましたが、片腕となって働いていた妹のリンダが引き継ぎ、80人のスタッフと共に活躍を続けています。

長年の友人フィリップと再会。
いつもシックで親切で、一緒にいて心地よい人。
この日のサイン会に集まった人もフランス前大統領家族、建築家、作家、画家など著名人もたくさん。仲良しの高田賢三さんもいらしておしゃべりに花を咲かせました。バラやスイートピーのブーケがあちらこちらに飾られ、シャンパンやおつまみのサーヴィスもひっきりなし。

話の輪が随所に生まれ、にぎやかなこと。パリでは会話は文化なのです、アートなのです。楽しい人生に欠かせないことです。