2025年6月22日

音楽の祭典

 フランス各地で開催される「音楽の祭典」の6月21日は、クラシック、ジャズ、ロック、ラップなどあらゆる音楽を無料で楽しめる日。1982年、当時のフランス文化大臣ジャック・ラングによって創設された「音楽の祭典」は、今では世界中に広がり、重要な文化イヴェントのひとつになっています。プロもアマチュアも参加できるのが、この祭典の大きな特徴。

今年はチュイルリー公園で大規模なコンサートが行われたほか、セーヌ左岸・右岸の複数の教会や大小の広場、博物館などでも音楽祭を楽しめ、35度の異常な暑さの中で、熱気に包まれたパリ。

例年と異なるのは、昨年のパリ・オリンピックで世界中の人を驚嘆させた気球の聖火台が、この日の夜空を飾り、再び歓喜の声を響かせたこと。この気球は今ではパリのモニュメントとさえ言われていて、9月14日までチュイルリー公園で見られる。特に、夜空に浮かぶ気球の美しさは、体が震えるほど感動的。

チュイルリー公園内に設置された舞台の前に集まった人は35000人。
参加したアーティストは50人。
夕方9時に始まり、真夜仲の12時30分まで続いたコンサート。
音楽に合わせて歌う人も多かったし、踊る人も多かった。

あたりが多少暗くなった10時ころ、それまで舞台の後ろの地上に置かれていたあの気球が、ゆっくりと空に向かって舞い上がる。一斉に大歓声が起き、一団となって気球と共にパリの空高くのぼり、音楽祭はますます華やぎを増し、記憶に深く刻まれたのです。
いつ見ても感動せずにはいられない、品格ある気球。
夢幻の境地に誘われたよう。