2012年3月8日

歌舞伎衣装展

目が眩むほど豪華な衣装
日本の文化、歴史に造詣が深い実業家ピエール・ベルジェは、数年前から日本の着物に関する展覧会開催を計画。それが歌舞伎衣装展という形で実現しました。

展示会場は旧イヴ・サンローラン本社で、現在のピエール・ベルジェ イヴ・サンローラン財団。数多い演目の中から選ばれたのは29点。その展示の仕方が、日本ではとても想像不可能な、規制に捕われない画期的なもの。これによって歌舞伎衣装の異なった見方ができます。

木曽功ユネスコ日本大使と
衣装のほか、江戸時代の歌舞伎座や舞台裏の役者の様子、著名な俳優の肖像画などのにしき絵も数多く展示。刀、下駄、日傘、扇などもある
豊かさあふれる内容です。
その上、大画面で歌舞伎の映像も絶え間なく流れていて、訪問者をごく自然に歌舞伎の世界に導きます。

さすが、本物趣向のベルジェならではの才知が感じられる貴重な展覧会。

歌舞伎の衣装は役者の肌といわれているそうです。
正木公使夫人聖美さんと
そうした衣装には語りがあり、見ているだけで非常に興味深いものです。

歌舞伎の公演は何度か見たことがあるけれど、これほど近くで衣装が見られるのは大変貴重と、フランスでは大評判。専門家の講演も数度計画されている、文化度の高い歌舞伎衣装展。

ベルジェとは親しくさせていただいているので、私は二日続けてじっくりと拝見し、彼に感謝の言葉をかけました。
ベルジェが着物が好きなのを知っているので、二度着替えるという努力もしました。

長年の希望が実現し、ベルジェもとても幸せそう。
これほどの高度な展覧会は、やはり彼のような理解者ならではの、
必見の展覧会です。

歌舞伎衣装展
Fondation Pierre Bergé  Yves Saint Laurent
5 Avenue Marceau
75016 Paris

7月15日まで