2018年3月17日

メトロの駅名は語る 76

Cadet
カデ(7号線)

16世紀の庭園師だった兄弟、ジャックとジャン・カデにちなんだ駅名。

当時の国王はシャルル9世。
カトリーヌ・ド・メディシスの息子のひとりで、国を二分した新旧の宗教戦争「サン・バルテルミーの虐殺」を命じた王です。

その時代、この界隈に「ごみ捨て通り」と呼ばれている通りがありました。
不要な野菜を捨てる通りだったのです。

カデ家はその道路を含めた土地の持ち主で、ジャック、ジャン兄弟は野菜の山を土の栄養として利用し、様々な種類の野菜を育て、道路はカデ通りとなったのです。

1923年、カデ通りで舞踏会が催されました。
その後カデ家は繁栄をとげ、その子孫のひとりは、パリ北東のモンモランシーの町長に就任しています。著名人の保養地として有名な優雅な地で、現在のアンギャン・レ・バンにあたります。湖とそのほとりのカジノで有名です。

モンモランシー町長になったカデ家の子孫。
かつて野菜を育てていた道路だけあって、今でも小さめの食料品店が多く、様々な国籍の味をトライ出来ます。