2012年6月4日

エリザベス女王在位60周年記念


イギリスは6月2日から4日間、
エリザベス女王在位60周年記念の行事で湧きかえっているようです。
隣国のフランスは、それにまけずに連日大報道。

以前ブログに書いたようにイギリス王家の先祖がフランス人であるから、無関心ではいられないのです。それに加えて、革命で王家を失ったフランス人は、王家への強いノスタルジーを消しきれないので、ヨーロッパ王室の出来事をことあるごとに派手に報道するのです。

もともとイギリスはドイツのゲルマン系アングル人とサクソン人がつくった国。そのためにフランスでは今でもイギリス人をアングロ・サクソン人と呼ぶことがあります。その後、フランスのノルマンディー公ギヨームがイギリスを征服し、ウイリアム一世として即位。それが現在まで続いているイギリス王家。
つまり先祖は確かにスランス人。

ということで、今回の祝祭の報道も熱がこもっているのです。
それにしてもエリザベス女王のあのお元気なお姿と微笑みには、イギリス国民だけでなく、世界中の人々を幸せにするオーラがある。

一時期、そうです、ダイアナ元皇太子妃が亡くなった後は、かなり不評だったことは確か。それ以降、エリザベス女王が国民に積極的に接近し、「みんなの女王」となったときから、王室と国民の間の重い壁が取れたように思えます。86歳という高齢で女王の任務を立派にはたしていることは、イギリス国民の励みであり、誇り。

ウィリアムとケイトの「愛の結婚」がイギリス王家の人気獲得に大きな役割を果たしているのも事実。ふたりは小さな家を安い家賃で借り、ケートがスーパーでショッピングをしたり、手ごろなZARAの服を着たりという、一般国民と同じような新婚生活も好評。

それでも国を代表する人としての役割をいかにも自然にこなしているし、容姿はふたりそろってスターのようで、憧れを掻き立てないではいない。このふたりに惜しみなく支援を送っているために、女王の人気も上がっている気配。

今回のエリザベス女王在位60周年記念の行事には華やぎがあり、イギリスへの評価が何倍も上がっているほど。オリンピックもあるし、ユーロを拒否した国なので下降線を辿る一方のユーロの行く末の心配もないし、イギリスはとても元気。

エリザベス女王が即位したときの首相はチャーチル。第二次世界大戦の英雄です。そう考えるとエリザベス女王の在位期間がいかに長いか実感できます。

テームズ河の1000隻の船のパレード、コンサート、ダンス・・・
64年の在位を誇るヴィクトリア女王の記念行事以来のスペクタクルが、各地で行われるイギリス。イギリス王家は今後も長く続くし、そうあって欲しいという国民の意見が多い。

フランスではこうした行事の可能性はゼロ、ゼロ、ゼロ。
悔しさとうらやましさが混ざっているようだし、ちょっと寂しそう。
いまさら王政復古など出来ないし、その必要もない。

でも今回の報道の熱心さはすごい。
それを見逃さないようにする私はとても大変。
何しろ4日間も続くのだから。