2015年10月15日

アートに生きた二人のクチュリエ展


「アートに生きる展」の
ご案内状
20世紀初頭のデザイナー、ジャック・ドゥーセと、20世紀半ばから後半のデザイナー、イヴ・サンローランは、共にアートを愛し、アート作品をコレクションし、アートに包まれて暮していました。

破格の才能で一世を風靡したお二人が、長年かけてコレクションしたアート作品の一部を、「ピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団」で展示中。本物のアートのある暮らしが、いかなるものであるか、感嘆続きの充実した内容。何度も足を運んでじっくり観賞したい、素晴らしい作品と展示方法です。

日本の17,18世紀の漆加工の作品があるし、中国の仏像もある。そうした歴史的作品があるかと思うと、ピカソ、ブラック、ブルトン、ゴヤ、マチス、モジリアニ、モンドリアンなどの秀作、ラランヌの大きな鏡やグレイの家具もある。

長年の友人ドミニックは
財団に欠かせない貴重な女性

時代も国籍も異なるそうした美術品が相まって生む空間は、まるでプルーストの「失われた時を求めて」の上質な世界。このような美に囲まれた中で日々を送っていた人がいたとは、実感がわかないほど高尚。夢の中を彷徨っているような想いを何度も抱いた、格別で幸せなひととき。

この日のプレ・ヴェルニサージュには、ラランヌ夫人もおいでになったし、ラランヌ作の一点もののブローチをつけているご婦人もいらしゃいました。皆、品のあるお洒落がお上手。私も敬意を表するために、イヴ・サンローランの時代の懐かしいジャケットを着て行きました。ベルジェと一緒に展示してある日本の古美術を観賞でき、精神の豊かさを感じられた夜でした。

2016年2月14日まで開催