2014年3月1日

パリコレ ディオールのプレタ・ポルテ

アブストラクトな花園の下でのショー
1月末にオート・クチュールのコレクション発表があって間もない2月末に、
今度はプレタ・ポルテ。
このようにモードは、目まぐるしい変化が要求される厳しい世界です。

デザイナーは永久に枯れることのない発案の泉を持っているかのように、次々と新鮮なアイディアを布で表現。
それが直ちに世界中で批評されるのですから大変です。

しかも、一般の人があたかも専門家のごとくに、
自分たちが受けた印象や意見を競い合うように語るのですから、地球人がすべてうるさい批評家のよう。

確かに、プレタポルテを購入するのは一般の女性たちだから、彼女たちの意見はとても重要。
フィーリングが合う服を作ることが、当然、重視されます。
デザイナーの新たな感性が織り込まれ、心を揺り動かされ、着てみたいという気持ちにさせなければならない。
並大抵なことではありません。

ディオールのデザイナー、ラフ・シモンズは、
女性の体を理想化するラインを創作することに才知
を発揮していています。それこそ女性たちの願望。
服によって欠点が隠れ、美しいシルエットを生み、鏡の中に異なった自分を発見する。
幸せな瞬間です。

ロダン美術館の庭の特設会場で発表した今回のコレクションも、ラフ・シモンズ独自のシャープなラインで、クラシック音楽のような清浄さと安心感がある。彼はもしかしたら、布を素材とする作品を創作するモーツアルトなのかも。

今回特に目立ったのは、大胆な色使いとシルエット。花のような女性をモットーにしていることには変わりがないけれど、もっと現代的で、軽快で、勇気があり、自己主張がある。つまり男性の気性をほどよく取り入れた、人生を積極的に生きる新しい女性像を示しているのです。

天井には色がブルー、グリーン、イエローなどに変化するアブストラクトなお花畑が作られ、その下で軽快な音楽に乗って繰り広げられるコレクション。幻惑的な世界です。

モードはいい。
平和が感じられるからいい。
装いに気を配る女性には幸福のオーラがあるからいい。
だから、年齢に関係なくいつまでもお洒落に気を配っていたいですね。私もそう心がけているつもりです。