2014年3月19日

バルテュスの本の出版記念パーティー

節子さんとお嬢さんの春美さんと、
友人のふたりのデザイナー。

20世紀を代表する画家バルテュスの新しい本が出版され、著者とバルテュスの家族出席のもとに記念パーティーが開催されました。

未亡人の節子さんはとても魅力的な女性。日本女性の鏡のような方で、日本の文芸に造詣が深いだけでなく、ヘアスタイルも古典的だし、いつもお着物をお召しになっていて、一見して日本女性であることがわかります。このことから、いかに彼女が祖国を大切にしていらっしゃるか伝わってきます。ご自身も画家で、展覧会を何度も開催しているし、本も数冊出版なさっている。

お住まいのスイスのグラン・シャレには、バルテュスが存命中だった貴重な思い出があふれていて、それを大切に保存している節子さんのバルテュスへの想いが、いたるところに息づいています。アトリエもバルテュスが使用していた当時のまま。節子さんがいくつもの鍵を回してそのアトリエをあけて入ったとき、彼女の全身から感動が放たれ、その波動が私にまで伝わり、押さえきれないほど動揺したことを思い出すたびに心が震えます。

格別なオーラがある節子さん。
上質の輝きが伝わってきます。
深い緑、澄み切った空気、広いお庭に咲く種類豊富な花、数匹の犬と猫。
それもバルテュス夫妻が暮していた当時と同じ。巨匠の静謐な絵の世界を体感するよう。

とはいえ、節子さんはとても活動的で、世界中で開催されるバルテュス展にかかわっているし、絵にも陶器にも余念がない。パリにも頻繁に足を運ぶ。一緒にいると格別なオーラが伝わってくる無比の人です。