2010年11月21日

マリー・アントワネットのデザイナー 5

乗馬の腕前も
たしかな王妃
才知あるベルタンは、マリー・アントワネットのお気に入りのデザイナーであることを、最大限にいかします。

パリの店に大きく「王妃のデザイナー」と書いて、人々の関心をひいていただけでなく、サロンの壁にマリー・アントワネットの肖像画と、その隣に、何と自分の肖像画も飾っていたのです。

マリー・アントワネットがそれほど頻繁にベルタンに服を注文していたからには、
彼女はそれだけの才能があったのにちがいない。ベルタンのように認められたいと願っていたデザイナーは、他にもいましたが、誰ひとりとして、ベルタンほどの特権を得ることは出来ませんでした。

ベルタンはフランスモードの素晴らしさを、王妃を通して世界に発信していたのですから、業績は称えられるのにふさわしい。

1781年に待望の王太子が誕生
クリエーターであるだけでなく、実業家としての手腕もあったベルタン。彼女が店や住まい、別荘まで購入したのは、何よりの証拠。利益を不動産に投資することの重要性を、ベルタンは知っていたのです。

1779年にはベルタンの従業員は、約30人。忙しいときには外部の人にも依頼。それに加えて、布地やレース、リボン産業を盛んにしたわけですから、彼女の実績は賞賛にあたいすること。
ヴェルサイユ宮殿の
王妃の寝室
ベルタンの才能に魅せられたマリー・アントワネットの出費はかさばる一方。
彼女が支払いに困っている様子を示すと、王妃を盲目的に愛するルイ16世は、いそいそと助けていたのです。
もしかしたら、自分を頼りにしてくれると、内心うれしかったのかも知れません。
本当に愛すべき国王。

マリー・アントワネットの装いは、長年待っていた子供誕生から、
さらにゴージャスになっていきました。

続く・・・